創設者である父野見山優と私は、ある日、福岡市東区にあります児童養護施設「和白青松園」様を訪問させていただく機会がありました。ある先生が１，２歳のこどもたちと楽しそうに遊んでおられたのですが、ふと「今、この子達のようにお父さんやお母さんがいないこどもが増えているんですよ。」と仰られました。この一言が、私達の心を動かしました。この瞬間「こども達を何とかしてあげたい」という想いが心に湧いてきました。私達は「児童養護施設を開設したい。」という熱い想いで和白青松園様をあとにし、その足で福岡市役所こども未来局を訪れました。児童養護施設を開設したい旨を伝えたところ、当時福岡市としては児童養護施設の新規開設の予定はなく、保育所開設の公募があることを教えていただきました。児童養護施設ではありませんでしたが、「こども達を何とかしてあげたい」という想いを持った私達に、こどもに関わる施設で社会に必要とされる保育所開設の公募に、手を挙げない理由はありませんでした。

そうして、平成24年に社会福祉法人優和会を設立する運びとなり、福岡市東区唐原地区に一園目となる、やまのみ保育園を開園しました。たくさんのやまのみっこ達が入園し、ぐんぐんたくましく成長していきました。多くの保護者様とも出逢わせていただきました。赤ちゃんが産まれて、保育園に預けようとしても定員がいっぱいで兄弟姉妹を預けたくても預けることができない事もありました。兄弟姉妹が、何とか別々の園に通わなくて済むように「こども達を何とかしてあげたい」「保護者様の役に立ちたい」という強い想いから、やまのみタウン、やまのみカントリー、やまのみ池袋保育園、やまのみ松崎保育園、やまのみガーデンと順次開園させていただきました。やまのみ池袋保育園は、東京都豊島区の池袋にありますが、当時、池袋は日本国内でも待機児童が特に多い都市の一つと言われていました。社会福祉法人優和会としましては、地域は関係なく「こども達を何とかしてあげたい」「保護者様の役に立ちたい」との想いから、豊島区役所を訪問、公募申請し、開園したという流れです。

初代理事長野見山優は、こども達、保護者様、やまのみスタッフなど、「人」を大切にしてきました。社会福祉法人優和会を設立する前から、「人」を大切にするという想いを持っていたようです。その想い・理念は、野見山優が亡くなったあとも、社会福祉法人優和会に脈々と受け継がれています。当然、私が理事長の時も、その理念は大事にしてきました。

令和５年６月の理事会で藤岡洋子先生に理事長に就任していただきました。藤岡洋子先生とは、生前父もお付き合いさせていただいていたのですが、お人柄が大変すばらしく、社会福祉法人優和会の根幹をなす理念であります「人」を大切にするという点で、特に信頼がおける先生です。「人」を大切にする社会福祉法人優和会を、今後とも末永くよろしくお願い申し上げます。

社会福祉法人優和会の設立に際し、唐原地域の方々、理事、監事の方々、行政、保育園関係者の方々が保育園事業にご理解いただき、ご尽力いただきましたこと心より感謝申し上げます。
最後になりましたが、これからも
やまのみっこ達の健やかな成長と保護者様の幸せ、やまのみスタッフの幸せを、心より願ってご挨拶にかえさせていただきます。

社会福祉法人優和会
顧問　野見山功